下垂体性TSH分泌異常症について
1. 下垂体性TSH分泌異常症とは
下垂体のTSHの分泌が亢進した「下垂体性TSH分泌亢進症」と、逆にTSHの分泌が低下した「下垂体性TSH分泌低下症」があります。下垂体性TSH分泌亢進症の代表的な疾患がTSH産生腫瘍で、下垂体性TSH分泌低下症の多くは下垂体前葉機能低下症のひとつの症状として認められます。
2. この病気の原因はわかっているのですか
TSH産生腫瘍の原因のほとんどは不明です。希に多発性内分泌腫瘍症1型のひとつの症状として認められます。
TSH分泌低下症は、下垂体や視床下部の腫瘍や血管の病気、感染症、放射線療法後、種々の薬剤によるものなどがあります。希に、視床下部のホルモンであるTRHの受容体(下垂体に存在)に異常のあるTRH受容体異常症によるものがあります。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
下垂体性TSH分泌亢進症では、甲状腺が刺激され甲状腺ホルモン値が高くなり脈が速くなったり、体重が減ったりします。また、TSH産生腫瘍による場合は大きくなった下垂体の腫瘍により視野が一部欠けたり、頭痛がおこることがあります。
下垂体性TSH分泌低下症では、甲状腺機能低下症となり、寒がり、むくみ、便秘や血液のコレステロールが上がったりします。また、その他の下垂体前葉ホルモンの分泌低下症の症状もいっしょにでることが多く、女性では月経異常も認められます。
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- 社会保険労務士 堀勇
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