家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)について
1. 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)とは
血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加すると動脈硬化が進み、心筋梗塞などの重大な病気の原因となります。 「家族性高コレステロール血症」は、生まれつき血液中のLDLコレステロールが異常に増えてしまう病気です。LDLコレステロールは、肝臓の細胞表面にあ るLDL受容体と呼ばれる蛋白によって細胞の中に取り込まれ、壊されます。家族性高コレステロール血症は、LDL受容体の遺伝子やこれを働かせる遺伝子に 異常があり、血液中のLDLコレステロールが細胞に取り込まれないで、血液の中に溜まってしまう病気です。私たちの遺伝子は、父親由来と母親由来の2つが 一組となって出来ています。LDL受容体やその働きに関わる遺伝子に、この両方に異常がある場合を「ホモ接合体」とよびます。いずれか一方のみに異常が認 められる場合を「ヘテロ接合体」とよびます。症状は、ホモ接合体ではヘテロ接合体よりも数段重く、薬剤によるLDLコレステロール低下効果が余り期待でき ません。ヘテロ接合体では、症状がやや軽く、薬剤による治療が効果を上げる場合が多くなります。
2. この病気の原因はわかっているのですか
この病気の原因は、LDL受容体遺伝子やその働きに関わる遺伝子の異常にあ り、その結果、血液中にLDLが溜まってLDLコレステロール値が高くなります。遺伝子の異常を具体的に証明できない家族性高コレステロール血症の患者さ んもおられ、この場合は、LDL受容体の働きに関わる遺伝子で、まだ我々の知らない遺伝子に異常があると考えています。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
通常、家族性高コレステロール血症ホモ接合体は、乳幼児期の皮膚の「いぼ」状の黄色腫がきっかけで診断される場合がありますし、 血液検査でコレステロール値が高いことから診断される場合もあります。成長とともに、結節状にもりあがった黄色腫が認められるようになります。こ れは、肘や膝、手首、おしり、アキレス腱、手の甲などに多く認められます。
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- 社会保険労務士 堀勇
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