拘束型心筋症について
1. 拘束型心筋症とは
2006年にアメリカ心臓病協会(AHA)の新分類によると、心筋症は主な病変が心臓にあるものを原発性心筋症、全身疾患の心筋病変を二次性心筋症に大別しています。さらに、原発性心筋症は遺伝性、後天性およびその混合型と細分され、拘束型心筋症は混合型に分類されています。拘束型心筋症では、心室の拡張や肥大はなく心筋の収縮力も正常であるのに、心室が硬くて拡がりにくい状態(拡張不全)になっているのが特徴的です。新しい分類によると特発性拘束型心筋症のみがこの疾患に分類されますが、従来は様々な病気に伴って(表の特発性を除く)発症することもあります。
2. この病気の原因はわかっているのですか
原因不明(特発性)の場合はもとより、他の病気(表)に伴って発症する場合、つまり二次性拘束型心筋症でも発病の機序はしばしば不明です。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
軽症の場合は無症状のことがありますが、病気が進行すると心不全、不整脈、塞栓症などがおこります。心不全症状としては、息切れや息苦しさ(呼吸困難)、動悸、全身倦怠感、手足や顔のむくみ(浮腫)が現れます。さらに、重症になると、黄疸、胸水、腹水などもみられます。脈の乱れ (種々の不整脈)や、脈拍数の増加(頻脈)による胸部不快感や動悸を感じることがよくあります。また、心臓の内腔壁に血液の固まり(血栓)が付着しそれが 剥がれて末梢の血管に詰まること(塞栓症)があり、合併症として脳梗塞、腎梗塞、肺梗塞などが起こります。
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