【障害年金の審査に地域差】 「誤判定、確実に存在」
障害がある人の生活を左右する障害年金で、審査に当たる医師(認定医)の負担に地域差があり、ばらばらの体制で支給・不支給が決められていることが分かった。「間違った判定が確実に存在すると思う」「事実上、流れ作業だ」。現場の認定医からは現状を問題視する声や、増員の努力を怠ってきた厚生労働省と日本年金機構に対する不満が出ている。
▽そのまま判定
障害年金では、症状が変動しない手足の欠損などは「永久認定」となって更新は不要だが、精神障害などは1~5年ごとに更新手続きをして審査を受けなければならないことが多い。
認定医は新規申請に加え、更新の審査もこなす。1人当たりの審査件数が多いある県の認定医は「更新のシーズンになると山のように書類が届き、とてもじっくりは見られない。年金機構の担当者が『変化なし』と分類していれば、ほぼそのまま『支給継続』と判定する。丁寧に見たほうがいいとは思うが、件数が多すぎるので仕方がない」と話す。
厚労省は「障害の状態が適切に反映されるよう、認定医はきちんと判定している」との見解を示しているが、西日本のある認定医は「更新の場合は1件にかけられる時間は数秒から十数秒」と明かす。「支給されるべき人に支給されないとか、その逆のことが多くの地域で起きているはず。反省を込めて、この状況はいけないと思う」
▽増えない担い手
認定医は「外部障害」「内部障害」「精神の障害」で三つに大別されているが、さまざまな障害を審査しなければいけないことに加え、自身の診療と並行しての任務で負担が重いため、なかなかなり手がいないという。
首都圏の認定医は「障害年金の受給者は増えているのに、 私の地域では 認定医の数は増えていない。国は担い手の確保にもっと努力してほしい」と訴える。
地域間で支給・不支給の判定に大きな差が出ていることについては、複数の認定医が「ばらつきをなくすために定期的に開かれていた認定医の全国会議が開かれなくなったためだ」と指摘する。
1990年代後半までは毎年1回、各地の認定医を集めた会議が開かれていたが、それ以降は判定基準の改正などがあったときだけ開く形に変わったという。厚労省と年金機構は「昔の開催実績は資料が残っておらず、事実関係は確認できない」としている。
ある認定医は「不支給割合の地域間格差は、昔は今ほどひどくなかったはず。(前身の)旧社会保険庁時代を含め、年金機構が会議や指導をきちんとしてこなかったのが一因だ」と指摘した。
(共同通信 2015年1月4日)
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